カノンのフリーな生活

育児や英語、フリーランス翻訳者の日常を綴っています。

翻訳と日本語

今日の関東は、台風で結構な雨が降っています。

 

台風が過ぎ去った後、被害が少ないことを
祈るばかりです。

 

さて、翻訳をしていると聞くと、一般的に、
外国語(私の場合は英語ですが)がすごくできる!
という印象を持たれることが多いのですが、
日本語に相当な気を配って仕事をしていることに
気づいてもらえることは、ほとんどありません。

 

まぁ、普通に考えればそうですよね。

 

日本人なんだから、日本語ができて当然。

 

でも、実際に外国語を翻訳する中で、一番迷うのは
日本語だったりもします。

 

普段は何気なくしゃべったり、書いたりしている
日本語ですが、それを商品としてお客様にお渡しする
となると、そう簡単にはいきません。

 

間違った意味で慣用句を覚えてしまっていたり、
「てにをは」の使い方を間違っていたりすることは
よくあることです。

 

なので、ちょっとでも不安のある言葉はもちろん、
不安がなくても、この文書のこの文の中で、使おうと
している言葉が適切かどうかは、インターネットや辞書で
たびたび調べます。

 

時々新聞やテレビでも、一般の人にことわざや慣用句
の使い方を調査した結果が記事やニュースになっていることが
ありますが、そうした記事やニュースを見つけた時は
私もその問題に、解答者になったつもりで答えてみます。

 

答え合わせをするときは結構スリリングです(笑)

 

「あれ?そうだったっけ?」とか、

「私も間違って覚えてた!」とか。

 

言葉は生き物ということで、最近は、時の流れの中で言葉の
意味が変化していくことは、比較的寛容に受け取られている
ように思いますが、それでもやはり、その言葉と意味の組み
合わせが本当に市民権を得るまで、その言葉を本来の意味と
違う意味で、しかも商品となる翻訳の中で使うというのは
難しいと考えています。

 

一方で、今までは存在しなかった新しい言葉というのも
次々に生まれています。

 

これだけ情報が瞬時に世界を駆け巡る時代にあっては、だれか
最初に翻訳した人の言葉がその後のスタンダードになる可能性も
なきにしもあらず。

 

そう思うと、翻訳者の責任もかなり重大ですね。

 

この記事を書いていて、私自分もさらにさらに身の引き締まる
思いがしました。

 

翻訳力を向上させようとすればするほど、大事になる
日本語力。

 

お仕事として翻訳をさせてもらっていますが、常に発展途上。

 

まだまだ貧弱な自分のボキャブラリーに絶望することなく、
これからも日々、本や新聞を読んで、言葉や表現をストック
するよう心がけていきたいと思います。

 

本日もお読みくださり、ありがとうございました。